極東ロシアの経済と日本(雑感)1 - 2016年の極東ロシア経済

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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2016年9月に一年ぶりにウラジオストクに行ってきました。
ロシア経済の低迷が言われて長いので心配しながら行ったのですが、町を歩いている人の表情はほとんど変わらないし、レストランでもみな以前と同じようにお酒を飲んで食事しているし、どこに不安があるのだという感じでした。ただ違うのは、スーパーマーケットに行ったら、海外の輸入品がほとんどなくなっていた。私がウラジオストクにいたころは、スーパーマーケットの商品の7割ぐらいは外国製品でした。そのうち半分は日本製品で、あとアジアやヨーロッパから入ってきた商品だったのですが、それがほとんどなくなっていました。



何故そうなったか。2014年初めのウクライナ、クリミア問題による経済制裁とその後の原油価格の大幅低下が原因です。これはロシアにとっては2008年のリーマンショックの時に並ぶ経済的ショックでした。原油価格が下落すると、ルーブル安が進んで、輸入品が値上がりする。経済制裁で外国製品が入ってこなくなったので、国産品の追随値上げが起こる。インフレが進行したにもかかわらず名目賃金は横ばいのままで、実質所得が減少しました。一般市民は先行きが見えないから「買い控え」に走り、個人消費が落ち込んで、ロシア経済は2014年、2015年と低迷しました。しかし、2016年になって原油価格の上昇によりロシアの経済状況は持ち直しつつあるというのが現在の状況です。

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