極東ロシアの経済と日本(雑感)5 - 農業生産(温室栽培)に進出目立つ日本企業

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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経済特区・自由港という仕組みの中で、日本からは石油化学エンジニアリング会社の日揮が、ハバロフスク市郊外でグリーンハウス、温室栽培の野菜作りをやっています。グリーンハウスですから、大した資金は入れてないのですが、キュウリとかトマトといった野菜の栽培で結構成功しているようです。ただし道路事情が悪いから、運搬の途中でみんな傷がついてしまう。だからまずは道路などインフラ整備をやらなければならないという問題はあります。



そのほかにも、北海道の会社があちこちで温室栽培をやっていますし、新潟大学が沿海地方で大豆の試験栽培に取り組んだりしています。これまで、新鮮な野菜はほとんど中国から極東ロシアに入っていました。しかし、お金のあるロシア人は「中国産の野菜は子供に食べさせたくない」と言うのです。以前、アムール川上流で中国の化学プラントが爆発して汚染物質が流れるという事故があったからかもしれないですが、中国産野菜は化学肥料や農薬を大量に使っているという不安があるようです。温室で作ったきれいな野菜を適正価格で売るならば買う人はいくらでもいるということで、温室栽培が最近非常にはやっています。
江戸時代の末期にロシアが日本に通商を求めてきたのは、要はシベリアで使う日用品や食糧をモスクワから送るのは大変なので、地理的に近い日本から買いたいというのが基本だったのです。その構図は今でも変わっていないので、極東で使うものを日本から輸出する、あるいはたとえ小さくてもいいからロシア国内でモノを生産してそれをロシア国内で販売するということを考えていった方が良いのではという気がします。何かあまり投下資本のかからないものから始めていくというのも一つの考え方だと思います。

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