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極東ロシアの経済と日本(雑感)8(終) - ロシアの入口・出発点としてのウラジオストク

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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ウラジオストクの人たちは、自分たちの街はシベリア鉄道の終点だと思っています。私はウラジオストクにいる時、ロシアの小中学生の前で話したことがあるのですが、「あなたたちはウラジオストクが「終点」だと思っているけれど、そうじゃないよ。日本人から見たらウラジオストクは「出発点」だ。ウラジオストクはシベリア鉄道の出発点ではないか」と言いました。そしたらえらく喜んでました。
日本にとってロシアはウラジオストクから始まるわけで、ウラジオストクの若いビジネスマンがモスクワやロシア中央の市場をめざしてビジネス展開していくのをどれだけ手伝いできるか、ロシア市場の開拓を一緒にどれだけできるかという視点で考えてみるのもいいのではないかと思います。

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極東ロシアの経済と日本(雑感)7 - 中古車ビジネスの盛衰

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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2000 年代後半に隆盛を極めて極東ロシアの経済を支えていたのは、日本からの中古車輸入関連ビジネスでした。私がウラジオストクにいる頃は上り調子で、日本の中古車や食料品などいろんなものがガンガン売れたのですが、今では中古車ビジネスは最盛期の 4 分の 1 に減少しました(注: 2008 年のピーク時には 51 万台の中古車がロシアに輸出されたが、リーマンショックで 10 分の 1 以下の 4.5 万台に急減。その後徐々に持ち直して最近では 15 万台前後に回復している)。

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極東ロシアの経済と日本(雑感)6 - ロシア国内販売に目を向けるロシア企業も

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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例えばウラジオストク近郊でコンピュータを作っているロシア人の会社があります。作ったコンピュータはロシア国内全土で販売している。何故ウラジオストク近郊かというと、コンピュータは組み立てているだけなのです。原材料、部品はすべて台湾と日本から輸入して、組み立てだけをやっている。以前は、ロシアの西の方で組み立てていたけれど、台湾と日本に近いウラジオストクで作った方が便利だということで始めたのがコンピュータで成功して、最近はスマートホンまで作るようになっているそうです。

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極東ロシアの経済と日本(雑感)5 - 農業生産(温室栽培)に進出目立つ日本企業

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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経済特区・自由港という仕組みの中で、日本からは石油化学エンジニアリング会社の日揮が、ハバロフスク市郊外でグリーンハウス、温室栽培の野菜作りをやっています。グリーンハウスですから、大した資金は入れてないのですが、キュウリとかトマトといった野菜の栽培で結構成功しているようです。ただし道路事情が悪いから、運搬の途中でみんな傷がついてしまう。だからまずは道路などインフラ整備をやらなければならないという問題はあります。

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極東ロシアの経済と日本(雑感)4 - 土地無償提供事業

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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極東地域の土地(国有 地)を希望する国民に無償で提供するというものです。都市から離れた場所に広さ 1ha の土 地を無償で提供し、5年間、農地などとして使えば、正式に所有を認めるとしている。2016 年 6 月から極東住民を対象に試験的に開始し、10 月 から無償提供する土地の範囲を極東地域全体に広げ、2017 年 2 月からはロシアの全国民を対象に、土地の無償提供を開始するというもの。この土地は道路、電気、水道、ガス等の生活インフラが全くない荒野で生産活動を行うには多額の投資が必要でこのままでは養蜂業位しか出来ないと思われる。但し、ロシアの全国民を対象とすることになると豊富な資金を有する企業家が名義借りを行うことによって広大な土地を手に入れる事が可能となる。ソ連邦崩壊直後に新興企業家が国の鉱工業資産を安価で手に入れたのと同様な事が起こりうるわけです。ロシア極東の手つかずの荒野に多額の資金を投入して大農場を経営する事に魅力を見いだせれば、アメリカの大西部開拓と類似の事業がロシア極東で行われる可能性があるということです。

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極東ロシアの経済と日本(雑感)3 - 経済特区・自由港

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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その中心的な政策の一つが、経済特区・自由港の設置です。ウラジオストクの町を自由港(ポルト・フランコ)にする。自由港というと、香港とかシンガポールを想像するかもしれませんが、要するに経済特区と同じで、税の優遇措置と大幅な規制緩和が受けられる特別なエリアを作り、国の内外から投資を呼び込む政策です。東南アジアの場合、経済特区と言えば、「人(労働力)はいるけどお金(資金)がない」というのが普通ですが、ロシアの場合は人件費も結構高いので、「資源はあるけどお金がない」という感じで説明していたのですが、最近はロシア人労働者がかなりそこで仕事をするようになっています。ロシア極東の経済特区は外国企業の呼び込みと同時にロシア国内企業の進出をも期待しているようです。当初の目的は輸出企業の育成だったのですが、最近では輸入代替生産、現地生産化をも目的にするというふうに変わってきています。

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極東ロシアの経済と日本(雑感)2 - プーチン政権の「東方シフト」

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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プーチン大統領は「東方重視」ということで、極東・シベリアの経済開発に力を入れています。ロシアの極東地域というのは、ヤクート・サハ共和国とアムール州から東、ハバロフスクやウラジオストク、カムチャツカ、サハリン(樺太)を含む広大な地域です。面積は日本の16倍もあるのに人口は630万人しかいない。若い優秀な人がみんなモスクワへ出て行ってしまいます。日本でも若者が生まれ育った町から東京や大阪に出てしまうのと同じように、ロシアでも人口の都市流出が止まらない。隣の中国には東北三省だけで1億人はいる。このままでは経済的にも人口的にも極東ロシアは中国に呑み込まれてしまう。これを何とかしなければいけない。ということで2012年に「極東発展省」を設置して、極東・シベリア開発に一生懸命取り組んでいます。

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極東ロシアの経済と日本(雑感)1 - 2016年の極東ロシア経済

日本ウラジオストク協会 浅井 利春

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2016年9月に一年ぶりにウラジオストクに行ってきました。
ロシア経済の低迷が言われて長いので心配しながら行ったのですが、町を歩いている人の表情はほとんど変わらないし、レストランでもみな以前と同じようにお酒を飲んで食事しているし、どこに不安があるのだという感じでした。ただ違うのは、スーパーマーケットに行ったら、海外の輸入品がほとんどなくなっていた。私がウラジオストクにいたころは、スーパーマーケットの商品の7割ぐらいは外国製品でした。そのうち半分は日本製品で、あとアジアやヨーロッパから入ってきた商品だったのですが、それがほとんどなくなっていました。

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